Motor City Rockin' (2005) Motor City Rockin' LLC
  1. Courageous Cat (1979)
  2. Parchment Farm (1978)
  3. Young Hearts (1984)*
  4. Itchin' in My Heart (1985)
  5. Let There Be Strings
  6. To Strange (1986)*
  7. Ho Do Vodo (1981)
  8. Workin' Man Blues (1985)*
  9. Gotta Let Go (1985)*
  10. Chungo of the Asphalt Jungle (1975)*
  11. Respect (1985)
  12. Uncle Johns Snuff/Walk Don't Run
  13. Space Age Blues (2005)*
  14. Bells of Good Friday (1975)*
  15. Love and Learn (1969)
  16. Tradition (1969)
* Written by Ron Cooke 作詞作曲ロン・クック
  1. Writer: Cooke/Thunders/Kramer
    ギャング・ウォー名義でマサチューセッツのボストンで録音されたもの。ライブのオープニングに使っていたのだろう。出て来たとたんにカッコいい、パワフルな短いインストゥルメンタル。
  2. Writer: Traditional 1826
    Recorded at Agora Ballroom, Cleveland, OH
    Rusty Day, Steve Dansby, Frankie Robbins & W.R.Cooke
    ブッカ・ホワイトの「パーチマン・ファーム」のライブ・カバー(ちなみに「パーチマン・ファーム」は、サン・ハウス、ブッカ・ホワイト、マディ・ウォーターズなどブルースの巨匠が刑期を務めたミシシッピ州の刑務所)。「ラスティ・デイの最後の録音」とあるが、ボーカルのデイはテッド・ニュージェントのアンボイ・デュークスでジョン・ドレークを引き継いだボーカリスト。その後カクタスに加わったが1982年ドラッグがらみの争いで銃弾に倒れている。カクタスは70年代中頃にいったん解散したが、デイは70年代末にこのバンドを再結成し、そこにギタリスト、ベーシストとして参加したのがスティーブ・ダンスビーとロン・クックだった。本作はデイのフリークアウトしたハープとボーカル、そしてドラムもすばらしい。「ちょっとバンドを組んじゃジャムをやってた」と語っていたクック---彼らにとってみればこのメンバーも適当に組んだ1組に過ぎないのかもしれないが、デトロイト・ロックではこれで平均か、タイトでハードなブギである。
  3. Brothers of the Road
    Scott Morgan, Harry Phillips, John Morgan, W.R. Cooke & Steve Dansby
    「ソニックス・ランデブー・バンドにインスピレーションを受けて結成した」と、クックがインタビューで語っていた「ブラザーズ・オブ・ザ・ロード」名義の1曲。ex-ラショナルズのスコット・モーガン、ミッチ・ライダーのデトロイトでキーボードだったハリー・フィリップスが加わっている。スコット・モーガンが参加している分ポップで、ホーン・セクションが効いたモータウン風R&B。
  4. Brothers of the Road with Cathy Deschanie on vocals
    これもブラザーズ・オブ・ザ・ロード名義で、女性ボーカルをゲストに迎えている。Kathy Deschaine が正しいスペルで、彼女はスコット・モーガンが 1993年に結成した "Scots Pirates" でもボーカルを務めている。ミシガン周辺で活動しているシンガーなのだろう。音だけ聴いて黒人ボーカルだと思っていたが、Scots Piratesの写真を見たら白人女性であった。ホーン・セクションが入ったデトロイト風R&B。
  5. Writer: Dansby
    Steve Dansby, W.R. Cooke & John Morgan
    3ピース・バンドが録音したインストゥルメンタルの秀作。スティーブ・ダンスビーはクックが語る通り、掛け値無しの卓越したギタリストだが、ネットで検索しても出て来ないところを見るとこれだけの実力を持ちながら無名に終わったのだろう。
  6. Broadcasters (W.R. Cooke, Bob Cantu, Ramo James & Bob Resch)
    "Broadcasters"というバンド名義になっている。曲名通り不可思議な、それでいてモダンで魅力的な1曲。クックのソングライティングの幅広さがうかがえる。曲名はやはり "Too Strange" が正しいのだろう。
  7. Writer: Cooke, Thunders, Kramer
    ジョニー・サンダース・ファンでこのトラックを発見した人はラッキー。カセットでリリースされた彼のToo Much Junkie Business に収録されていたWho Doo VoodooのGang War によるデモで、未公開は間違いない。
  8. Writer: W.R. Cooke
    Brothers of the Road
    クックが書いたブラザーズ・オブ・ザ・ロード名義のデトロイト・ホワイト・ブルースの秀作。こういう味わいはデトロイトだから出せる・・・と思う。ラスティ・デイはこのバンドのメンバーではないし、クレジットにも彼の名はないが、ボーカルはデイのようである。
  9. Brothers of the Road
    Additional guitar work by Steve Dansby 2005.
    これもクックが書いたブラザーズ・オブ・ザ・ロード名義の、今度はジャズ・ナンバー。このCDをリリースするにあたって、スティーブ・ダンスビーが数曲でギターのオーバー・ダブを行っているが、これもそのうちの1曲。
  10. Recorded in Fred Smith's basement
    Writer: W.R. Cooke
    Fred Sonic Smith, W.R. Cooke & Jeff Vale
    Cory Schmitter (W.R. Cooke's Grandson) on percussion 2005
    フレッド宅の地下室で録音されたソニックス・ランデブー・バンド黎明期の激レア音源。当時クックがフレッドと会ってはプレイしていたという「一種のジャズ・ロックのインプロビゼーション・ジャム」で、音質は悪いがそのコンテンポラリーなサウンドは今聴いても全く時代を感じさせない。今回のCDリリースにあたり、インタビューの最後でクックが語っていた「手当たり次第叩くのが好きな孫ども」の1人がパーカッションを加えている。
  11. Writer: Otis Redding
    ブラザーズ・オブ・ザ・ロードによるオーティス・レディングのカバー。デトロイト・ロックの真骨頂、パワフルなR&B。
  12. Writer: Dansby, Ventures, Dylan
    Intro 1978/Completed 2005
    W.R. Cooke, Steve Dansby, J. Morgan on Intro
    John Badanjek on drums in Walk Don't Run
    イントロでは何が始まるのかと思ったら、めちゃくちゃ楽しいデトロイト風カントリー・ミュージックだった。ギタリストのスティーブ・ダンスビーが1978年に書いた曲をこのCDリリースに際してオーバーダブして完成させた1曲。John Badanjek はexミッチ・ライダー・エンド・ザ・デトロイト・ホイールズのドラマー。
    のどかなカントリーが突如Walk Don't Run に突入する編集は絶妙。
  13. Original Sonic Rendezvous Band
    Recorded 1975
    Writer: W.R.Cooke
    Fred Sonic Smith, W.R. Cooke, John Badanjek, Mike Katon on slide guitar & Chief Chris on Harp
    「おい、目を覚ましな。こいつを聴いてくれよ。オレとフレッドがデトロイトの西部で作った曲だ。俺たち一文無しで、タバコを分け合いながら・・・・」というクックのナレーションで始まるジャズ・ロックの秀作。当時のフレッド宅での録音である。クックの幅広い音楽性に驚く。「ソニックス・ランデブー・バンドってのは、もの凄くいろんな音楽に影響を受けてたから。単なるMC5やストゥージズの音楽じゃない、単なるデトロイト・ロックンロールじゃなかった。」という彼の言葉そのままの、コンテンポラリーな宇宙サウンド。
  14. Writer: W.R.Cooke
    In memory Fred Sonic Smith and Lost Boys
    W.R. Cooke, Fred Sonic Smith, John Badanjek, additional guitar work by Steve Dansby and bells by Chris Benjey 2005
    亡きフレッド・スミスと、すでにこの世を去った全ての仲間に捧げる追悼の鐘。このCDの白眉である。ソウルに沁みるテナー・サックスとギターの響きには、メインストリームに迎合せず不遇に終わった全てのデトロイト・ロッカーの思いが込められている。CDリリースにあたりスティーブ・ダンスビーがギターをオーバーダブしている。
  15. Writer: Scott Morgan, Bug Music, BMI
    Brothers of the Road
    ブラザーズ・オブ・ザ・ロード名義のスコット・モーガンのスタジオ録音。旧友クックがこのCDをリリースするに際してスコットが提供してくれたのだろう。彼はこの曲をソニックス・ランデブー・バンドでも頻繁に演奏している。
  16. Writer: Hodge, Manko
    Menphis, MI
    Dedicated to Jim Casilly
    Catfish Band (Bob Hodge, Mark Manko, Harry Phillips, Jimmie Optner, W.R. Cooke)
    CDの最後を飾るのはデトロイト・ホワイト・ブルースの頂点。キャットフィッシュ・バンド名義のライブ録音で、歌声だけ聴いて絶対に黒人ボーカリストだと思ったが、歌っているボブ・「キャットフィッシュ」・ホッジは、少年時代からモータウンのスタジオに忍び込んではフォー・トップスやシュープリームスのレコーディングの盗み聞きをしていたという白人デトロイター。彼は60年代末にキャットフィッシュを結成。クックはベースで参加し、「ただのバー・バンドだった」と語っていたが、それでもこの実力だから、デトロイトではちょっとバーに足を運べばこんな秀逸なブルースが聴けたのか。