Power Trip (1994) Alive Records ALIVECD 0005
  1. Looking At You * (MC5)
  2. I'm Mad Like Eldridge Cleaver (MC5)
  3. Black To Comm (MC5)
  4. The Pledge Song* (Trad)
  5. Head Sounds (2nd take)* (MC5)
  6. Powertrip* (MC5)
  7. I Put A Spell (J. Hawkins)
  8. Born Under A Bad Sign (Booker T. Jones/W. Bell)
  9. I Want You (C. Fretcher/L. Page)
*Instrumental
Recorded at the United Sounds Studio on Jan. 4, '68
Recorded live at the Grande Ballroom on Oct. 27, '68
Recorded live at the Saginaw Civic Center on Jan. 1, '70
Recorded at the Head Sounds Studio Oct/Nov. '70
Recorded live at the First Unitarian Church on Sept. 7, '68
Recorded live at the First Unitarian Church on Sept. 8, '68

MC5のフリー・ジャズ/アヴァン・ブルースのナンバーにフォーカスを当てた、インストラメンタル中心の1枚。94年にシンクレアによるプロデュースでリリースされた。レア音源、他盤での収録が少ないトラックがほとんどのコレクターズ・アイテムと言えるが、4〜6の3トラックは多くの人に聴いて欲しい傑作である。

1は68年1月4日にユナイテッド・サウンズ・スタジオで録音されたもので、同年春に Aスクエアから出たシングル(Looking At You/Borderline [A-Square A2-333])からロブのボーカルを除いた部分である。本CD編集中に発見され、ボーカル抜きのバージョンもまたよかったので収録したという。

2は 本作を除けば "Ice Pick Slim" に入っているだけ。

3は本作のライナー・ノーツ(シンクレア著)では「おそらく69年秋の終わり頃か冬に録音されたのではないか」と書いてあるが、2年後にリリースされた "Teen Age Lust" 収録のものと同一なので、70年1月1日サギノウ市民センターでの録音とわかる。

4、5、6はコアなファンには貴重な激レア音源で、もちろん当CDでしか聴けない。バンドの3作目「ハイ・タイム」制作の準備をしていた70年秋にヘッド・サウンズ・スタジオで録られたインストの習作である。バンドとしての成熟度は最高潮に達し、ミック・ファレンが述べた「2本のギターが、浮かんでは沈み、シンクし、共鳴しあう関係」-- 「ツインギターを擁するバンドの最高峰」と称したそのサウンドは感動的でさえある。トラッドのアレンジである4、及び5は未発表。6は"Skunk (Sonicly Speaking)" とリネームされてハイ・タイムに収録された。ホーンセクションもまだ加わっていない当テイクの荒削りでパワフルなギターは圧巻。

7から9は68年9月にデトロイトのファースト・ユニタリアン・チャーチで行われた「ダイアログ・68」という教会主催のイベントで録音された。7と8は9月7日、9は翌8日の録音である。スクリーミング・ジェイ・ホーキンスのカバー、7は当盤でしか聴けない。8のアルバート・キングのカバー、 "Born Under A Bad Sign" は合計5枚のディスクに入っていて3バージョンあるが、当盤のテイクはここでしか聴けない。9はビクターのリイシュー "Live Detroit 68/69" に入っているだけ。教会が企画したにも関わらず非常に開放的な雰囲気のイベントで、ギグを始める時ステージでマリファナを吸いまくったというから、ロブ・タイナーのこの狂気も理解できる。